トレーニングの原理は、過負荷(オーバーロード)の原理に基づいています。
しかし、回復過程を無視した過剰の負荷の繰り返し(トレーニング)は、成果を得るどころか返って体を傷めてしまいます。
一般的に、練習の直後は疲れて、もともとよりも能力が落ちます。休んで疲労がとれ、以前より少し能力が伸びたところで、鍛錬を重ねていくというのが、トレーニングの考え方ですが、疲れが残っているのに無理を重ねると、能力はどんどん落ちてしまい、症状が進むと、免疫力が落ちて風邪をひきやすくなったり、不眠や抑うつ状態になったりするとされています。
運動にある程度慣れ、次のステップを目指そうとしている人がなりやすい。体力に自信がつくと、より強いトレーニングで記録を伸ばそうと、自分を追い込んでしまいがちです。
「ふつうの人は、調子が悪ければ力を抜く。ところが、まじめな人は『もっとがんばらないと』と考えてしまう」のが原因の1つです。
オーバートレーニング症候群については分かっていないことも多いですが、これまでの数多くの診断結果のデータを通して、「持久的な運動に使われる筋肉が、激しい練習のせいで疲れの抜けにくい状態になる」という面に注目しています。特に長距離を速く走ろうとする人がなりやすいです。
こうしたタイプにはゆっくり走っても、持久力は伸ばすことができるので、「ひたすら休む」より、歩行したり、ゆっくり走ったりすることをおすすめします。ただ、やはり無理は禁物です。